父の匂い
2000年のシドニーオリンピックの開会は
秋だったと記憶している。
闘病中の父の容態が安定し
治らないまでも
ひょっとしてこのまま数年いけるのかな?
と思っていた夏のはじめ・・・
「オリンピックの開会式は見られないと思う」
主治医にそう言われたのを覚えている。
シドニー、アテネ、北京、そしてロンドン
夏の真っ盛り
父の命日と私の誕生日
オリンピックが続けてやって来た。
自宅2階の廊下
2年くらい前から…
ふと「父の匂いがする」と感じるときがある。
煙草大好きの超ヘビースモーカーだったので
最初は
廊下の壁紙に
煙草の匂いが染み付いているのかと思った。
おかしいな。
一緒に住んでいたわけでもないし~
そんなにいつまでも匂いが残るはずないし~
実際、壁からも家具からも
煙草の匂いなどしなかった。
でも、ときどき・・・
階段で2階に上がりきったあたりで
「あ、お父さんの匂い」と思うことがあった。
毎日ではなく、本当に、ときどき。
しかも一瞬。
先日、その「匂い」の元が判明(笑)。
なんと、そこに置いてある角ハンガー!
プラスチック製の
洗濯物を干すときに使うそれ、それです。
ベランダの隅の収納箱に入れていたのを
そういえば、2年くらい前から
廊下の隅のカゴに入れておくようになったのだった。
なんで?
なんで、この角ハンガーの匂いを感じるの?
なんで、それを「父の匂い」だと思うの?
自分でも、かなり謎。
ワタシの父はプラスチック製だったのだろうか。
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